相続のよくある質問

質問登記簿上の住所が現在の住所と異なるとはどういうことですか?

登記簿上の住所と現在の住所が異なる為、被相続人の住所を証明する書類として住民票の除票だけでは相続登記ができないと法務局(登記所)でいわれました。登記簿上の住所が異なるとはどういうことでしょうか?また、どういう書類が必要になるのでしょうか?

答え登記簿上の住所が異なるとは、登記簿上に記載されている住所(登記をした時の住所)と亡くなった時の住所が異なる場合のことを指します。

登記簿上の住所が異なるとは、登記簿上に記載されている住所(登記をした時の住所)と亡くなった時の住所が異なる場合のことを指します。
また、手続きを行う上では住民票の除票や戸籍の附票等、被相続人の住所の変遷がわかる書類、若しくは上申書が必要となります。

登記簿には、所有者の登記申請時の住所と名前が記載されます。
法務局(登記所)は、その登記簿上に記載された人と被相続人が同一人物であることを確認する方法の1つの資料として、住民票の除票を確認します。
被相続人の本籍地、住所地、名前等をその住民票の除票で確認し、被相続人の戸籍や登記簿の記載と照合しながら、登記簿上に記載された人と被相続人が同一人物であることを確認します。

しかし、登記簿上の住所が住民票の除票の住所と異なる場合、登記簿上の所有者と被相続人が同一人物であることを確認することができません。
そうなると、以前被相続人が登記簿上の住所に住んでいたことを証明する書類が必要となります。
これを証明する書類が、戸籍の附票になります。

戸籍の附票は、戸籍に記載されている人についての住所の移り変わりを記録したものです。
住民票上の住所が変わると、移動した日付と移動後の住所が記載されます。
そのため、以前被相続人が登記簿上の住所に住んでいたこと、現在の住所地(住民票の除票に記載された住所)に移ったことを証明することができるのです。

また、住民票の除票でも住所の変遷を証明することができる場合があります。
それは、前住所が登記簿上の住所である場合です。住民票に記載された前住所に登記簿上の住所が記載されていれば、住民票の除票で手続きを進めることが可能です。
住民票の除票を取得される際には、必ず前住所と戸籍が記載されているものを取得するようにしてください。

ここで、戸籍の附票も住民票の除票も取得することができなかった場合や、戸籍の附票や住民票の除票を使っても住所の変遷を証明することができない場合についてご説明します。

戸籍の附票や住民票の除票には保存期間があり、その期間が過ぎると破棄されてしまいます。
例えば、住民票の除票の場合、保存期間は5年です。
相続登記は期限がないため、相続発生から数年経って相続登記をする方もいらっしゃいますが、そのような場合、書類を取得することができなくなることがあります。

このような場合には、管轄する法務局に相談をして手続きを進めることとなります。
不在籍・不在住証明と権利証を提出する場合や上申書(登記簿上の所有者と被相続人が同一人物であることの証明書で、相続人全員の実印と印鑑証明書の添付が必要)を作成する等して手続きを進めます。
登記には期限がないのでいつかやればいいと思っていると、余計な手間や時間や費用がかかります。
忘れずに行うことを心がけましょう。