相続のよくある質問

質問相続登記手続に必要な住民票除票が取得出来ない場合はどうしたら良い?

10年前に父が亡くなり、最近母が亡くなったのですが、不動産の登記が父のままなので、この機会に登記を更新しようと考えていたのですが、必要書類の住民票除票は、ないと区役所に言われてしまいました。
その場合、登記はどのようにすればよいのでしょうか。

答え代用書類が必要です

相続登記を申請する際、法務局に提出する必要書類の中に「被相続人(亡くなった方)の住民票除票」があります。

 

この、被相続人の住民票除票は最後の住所地の役所で取得して頂くことになりますが、実は、一般的には被相続人が亡くなってから5年が経過すると発行してもらえなくなってしまいます。

 

相続登記には手続き期限がないため、数年間もしくは数十年そのままというケースは少なくありません。
いざ登記申請を行おうと思った際に、必要書類を収集する中で住民票除票を発行してもらえないという事態に陥ることがあるのです。

 

この点、住民票除票は相続登記手続きには提出必須の書類になるため、発行してもらえなかったからといって不足のままでは法務局で申請を受け付けてもらえません。
住民票除票の代わりに、「被相続人の戸籍の附票」を区役所にて取得します。

 

そもそも住民票と戸籍の附票は何が違うのか?と言いますと、
住民票は現在の住所が記載されている書類になります。被相続人の住民票除票は、被相続人の最後の住所地を確認するために必要とされている書類になります。
戸籍の附票は、戸籍の情報をもとにした住所の移転履歴が記載されている書類になります。
従って、住民票除票にて被相続人の最後の住所地が確認出来ない場合に、戸籍の附票を取得して住所地を確認するという措置が取られます。

 

ところが、戸籍の附票も一定期間が過ぎると住民票除票と同様に取得出来なくなります。
住民票除票も取得出来ず、戸籍の附票も取得出来なかった、もしくは戸籍の附票で被相続人の最後の住所地が確認出来なかった場合には、更に別の措置を取る必要があります。

 

この場合は、「不在籍・不在住証明書」という上申書を作成し、これと併せて「不動産権利証の原本」を法務局に提出し、被相続人の最後の住所地が確認出来なかった事を法務局に証明します。
通常、相続登記を行う際、不動産権利証は必要ありませんが、不在籍・不在住証明書の提出が必要になってしまった場合には原本の提出が求められますのでこの点も注意が必要です。

 

まとめると、

 

① 住民票除票が取得出来ない
② 戸籍の附票の有無を確認
③ 取得出来なかった場合には不在籍・不在住証明書及び不動産権利証原本の提出

 

という流れになります。

 

以上の点をご存じでないと、書類を取得するにあたり何度も役所に足を運ぶことになってしまいます。
また、不在籍・不在住証明書というあまり聞き慣れない書類を作成する可能性も出てくるため、手続きにあまり手間や時間をかけたくないとお考えの方は、住民票除票が取得出来ないと分かったタイミングで早めにご相談ください。