相続のよくある質問

質問どうして二次相続は税金がこんなにかかるの?

私の家族は、父・母・長男・次男の4人です。
約7年前、父の相続が発生しました。
残された家族3人は、父の財産をどのように分けるかで協議を行ったところ、長男・次男は共に自宅があり、生活に困っている訳ではなかった事や、相続について特に今まで考えた事がありませんでした。
その時は、一旦は母が財産を全て受け取る事になり、相続税はかかりませんでした。
そして先日、今度は母の相続が発生し、長男・次男の2人で財産を取得する事になりましたが、相続人となった2人は、算出された相続税を知ってあまりの額に驚いてしまいました。
その時になって「二次相続」という言葉を2人は初めて知りました。
どうしてこのようなことになってしまったのでしょうか。

答え相続税減額の特例が使えなくなるケースがあるためです

今回の事例の様に、両親のうち父が亡くなり、母と子供たちが相続をする事を一次相続といいます。その後、母も亡くなり子供たちだけで相続をする事を二次相続といいます。
通常、財産の世代移転を完了させるためには、この一次相続・二次相続の両方を経験しなくてはならないと言われています。
同じように起こる相続ですが、二次相続では、一次相続と比べて、以下の様な理由により税額が多くなる傾向にあります。
① 被相続人の財産が増える上に配偶者の減税軽減が使えないこと
② 小規模宅地の特例が適用できない場合があること
③ 法定相続人の数が1人減ること
従って、父と母どちらもご健在のうちに何か備えておくことが大事になります。

一次相続の特徴として、一次相続の際には配偶者の税額軽減が利用できるため、配偶者が多く相続した場合は、相続税が少なくなります。
また、配偶者が相続した自宅の土地については、小規模宅地等の特例が使えます。
配偶者が全ての財産を受け取ることにより、相続税がゼロとなるケースは多いのです。したがって、一次相続は相続税に対してあまり対策等を考えなくても多額の相続税が生じることを避けられると言われています。
これに対して、二次相続では、残された子供たちが財産を受け取ることになります。
二次相続は配偶者の税額軽減が適用できません。また、子供が親と同居をしていない場合など、小規模宅地等の特例も適用できないときは、土地の評価を8割減の状態で受け取ることができません。
さらに、親が亡くなったことにより法定相続人の数が1人減るため、基礎控除額が600万円も減るとともに、法定相続分が大きくなり、適用される税率が高くなってしまう場合があります。
これらが、二次相続が問題とされている点です。

二次相続対策は、一次相続が発生した段階で、二次相続の事まで視野に入れてトータルでいくら相続税を支払うのか?という事をシミュレーションして遺産分割を行うことが重要になってきます。