親が、どれくらいの財産を持っているのかわかりません。
相続税がどれくらいかかるのか、親の財産からそれが払えるのかが分からないので、確認したいのですが、どう確認したらよいか分かりません。
前に、試みてみたことがあるのですが、怒ってしまいました。
怒らせるつもりは全然無いのですが、このままにしておくほか無いのでしょうか。
ご相談者様のようなお悩みを抱えていらっしゃる方は、本当に多いと感じます。
ご相談者様は、持ち出しをどれくらい用意しておくべきなのかというご心配のため確認したいとのことですが、その目的が、他の相続人よりも多くもらいたいためという方もいらっしゃいますので、聞かれた方は、警戒することもあるかもしれません。
ですが、①この税金がどれくらいかかるのか、②親の相続財産から支払えないとなった場合に、いくらぐらい用意しておけば良いのかを把握しておきたいというのは、当然のことだと思います。
目的を明確に伝えて、具体的な数字を把握して聞いてみてはいかがでしょうか。
例えば、親の財産に不動産があったとします。
その不動産の住所と広さが分かれば、大体の土地の評価は把握できます。
これが、基礎控除額をどれくらい超えるか、越えないかで、金融資産がどれくらいあると税金がかかるか、からないか、また、そこから払えるのか、払えないのかの目安がつくと思います。
例えば、路線価が30万円の道路に面している土地の広さが、100㎡あったとします。
相続人は、配偶者と子供2名の3名とします。
基礎控除額:4,800万円
土地:3,000万円(30万円×100㎡)
土地の評価が基礎控除額を下回る場合は、土地以外の財産が○○万円以上あると、相続税がかかりますので、それ以上あるかどうかを確認してみても良いかもしれません。
事例の場合、1,800万円以上の金融資産があれば、相続が発生しそうです。
(万円)
金融資産他 | 0 | 1,000 | 2,000 |
税金 | 0 | 0 | 20 |
持ち出し | 0 | 0 | 0 |
例えば、路線価が40万円の道路に面している土地の広さが、150㎡あったとします。
相続人は、配偶者と子供2名の3名とします。
基礎控除額:4,800万円
土地:6,000万円(40万円×150㎡)
土地だけで、既に基礎控除額を超えておりますので、土地に小規模宅地等の特例が適用できなければ、税金は発生しそうです(この場合も相続税の申告は必要になります)。
このとき、金融資産が無い場合やあっても少額の場合は、相続人からの持ち出しがありそうです。
事例の場合、約134万円以上の金融資産があれば、相続財産から納税できそうです。
(万円)
金融資産他 | 0 | 100 | 150 |
税金 | 120 | 130 | 135 |
持ち出し | 120 | 30 | 0 |
このように数字の目安から具体的に聞いてみてはいかがでしょうか。
この点、小規模宅地等の特例が適用できるかどうか、また、持分が分からないという方もいらっしゃると思いますが、その場合は、この概算もよりあいまいな数字になってしまいます。
金融資産が多い場合で、子供が親からの相続財産を当てにしている場合には、少しでも税金対策をして、受取額を多くしたいと考えるかもしれません。
その場合は、対策の相談をしてもらえないか、促してみるしかないかもしれません。
相続税は、家族の関係や財産の種類などによっても異なりますので、お気軽にご相談ください。