相続のよくある質問

質問相続財産を受取って、相続税を払っても確定申告する必要があるのですか

相続税を払った分の収入って、確定申告する必要があるのですか。
収入が増えるので、住民税とか健康保険料も増えますよね?

答え相続税を払った財産に対して所得税はかかりません

相続税の後に所得税もやらなきゃと思っている方は思ったよりも多いです。
ですが、安心してください!! 相続税を払って得た収入(財産)に対しては、所得税はかかりません。確定申告の必要もありません。

ところが、相続のときに得た収入が「一時所得や雑所得」となる場合があります。
その場合、亡くなった方の所得となるものや相続した方の所得となるもの等もあり、どれに含めたらよいのかというのが、煩雑です。

そこで、主な収入(所得)は誰の何税に関係するのかをまとめてみました。

(1)生命保険

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父が契約して、被保険者になり、亡くなったことで子が受取る保険は、相続税の対象です。
しかし、父が、生前に子に贈与したお金を、子が契約して、父を被保険者にし、父が亡くなったときに、自分がもらえるように設定した保険は、所得税(一時で受取る場合は一時所得、年金で受取る場合は雑所得)の対象になります。
ちなみに、上記表の④は、相続人を子か孫にすることになると思いますが、その場合は、保険受取額ではなく、父が亡くなった時点の解約返戻金の額が相続財産に含まれます。被保険者が亡くなったことによって受取る保険ではないため、非課税枠もありません。紛らわしいので、ご注意ください。

(2)入院保険

入院保険は、通常、本人が契約して、本人が被保険者になり受取人も本人であるのが一般的です。ところが、稀に受取人が配偶者や子供などの家族になっている場合があります。
被保険者が亡くなった後に下りたこの保険については下記の通りとなります。

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入院保険の受取人が本人の場合は、通常の相続財産になります。未払いの入院費などがあれば、相続財産の負債に未払い入院費が計上されますので、両建てにするというイメージです。
生命保険と違い、入院保険は、原則本人のために出る保険ですので、残った財産は、非課税枠が無い通常の相続財産となります。

対して、入院保険の受取人が配偶者や被相続人と生計を共にする者であれば、その受取人の所得となりますが、原則として非課税になります。病気やケガが理由で「身体の傷害に基因して支払われるもの」は非課税とされているためです。
この場合は、税金の心配は要らないということですね。

(3)各自治体から支給される葬祭費

一定の要件を満たしている人が、それぞれの自治体等に申請をすれば、葬祭費が支給される制度が各自治体にあります。
例えば、世田谷区では、後期高齢者医療被保険者証をお持ちの方が対象になって、最大7万円が支給されます。

この費用は、税金の対象になるのでしょうか。

この収入は、相続人の所得となります。
したがって、相続税の対象とはなりません。

では、所得税の対象かといいますと、こちらも非課税となります。(2)と同様に「遺族に対して支払われるもの」は非課税とされているためです。
この場合も、税金の心配は要りません。

最後に、住民税や健康保険料は所得によって変動しますので、そちらに影響が無い場合は、これらへの影響もありません。