相続のよくある質問

質問相続税は誰に頼めば良いですか

相続税の申告が必要だと思われます。
私には、投資不動産の申告をしてもらっている税理士がおり、付き合いもありますので、その税理士にお願いしようと思っていました。

不安もありましたので、色々調べていると、普段付き合いの税理士に相続税の申告を頼むのはあまり良くないというのを見ました。
実際のところ、どうなのでしょうか。

答え相続税を専門としている税理士の方が望ましいと思います

付き合いのある税理士がいる方や知り合いに税理士がいる方はもちろんのこと、税理士の知り合いなんかいないという方に、ぜひ知っておいてもらいたいことがあります。

相続の相談をするのに、税理士の専門性がどれくらい大事なのか、相続専門の税理士の探し方、多数ある中でどうやって自分にあった税理士を探すかについて、ご説明します。

(1)専門性の重要性

お付き合いのある税理士がいる場合は、普段見てもらっているところに相続の相談をするのは躊躇する、または、付き合いのある税理士にやってもらいたいが、セカンドオピニオンが欲しいなどで、ご相談に来られる方が、いらっしゃいます。

そこでお伝えしているのは、普段よりお付き合いのある税理士が相続に詳しいかを確認してくださいということです。

よく言われることではありますが、税理士にも医者と同じように専門分野があります。
税理士が専門としている分野で一番多いのは、法人税です。税理士のほとんどは、法人税や所得税は詳しいですが、相続税のような資産税に詳しい税理士は一握りとお考えください。

例えば、咳が出たときも、頭がいたいときも、鼻水が止まらないときも、内科のお医者様に行くかもしれませんが、ひどいときは、脳外科や耳鼻科など専門家のところに行きますよね。
脳外科に行くような病気の場合に、内科で見てもらい続けるのは怖くないですか。

財産の量や種類にもよりますが、相続税は、そういう位置づけの税金だと思っていただけるとわかりやすいと思います。

(2)相続専門税理士の探し方

では、相続専門の税理士はどうやって見つけるかです。
出会うきっかけとして主なものは、下記が考えるのではないでしょうか。

・知り合いから紹介してもらう
・関係業者(保険会社や葬儀会社、銀行、不動産会社など)から紹介してもらう
・インターネットで探す

(3)自分にあった税理士とは?

では、それぞれの特徴がある中で、どういう税理士がご自身にとってやりやすいかを検討していただくために、下記のように分けて特徴を分析してみたいと思います。

① 専門型

相続税を専門としている税理士法人。

・相続だけを専門としているため、専門性は高い。

・他の専門家との提携が強く、他の専門会社もグループで構成しているところもある。

・インターネットで探されることが多いため、報酬体系が比較的明瞭で、他に比べると手軽感はある。

・税理士事務所に訪問するため、はじめての相談は原則として予約制であり、少し敷居が高い。

・相続税の専門家であるため、税金以外のことに対してはその場でわからないこともあり得る。

・対応するのが税理士であることが多く、自分が何に悩んでいるのかわからないような場合には、税務分野の話に引き込まれて、
それ以外の悩みが解決しない可能性がある。

・担当する税理士によっては、対応が悪い、専門用語で説明等がわからないということも考えられる。

・都心部にしかないところが多い。

② 総合型

様々な税務業務を手がけている中で、相続税の取り扱いもあるという大手税理士法人。

・大手なのできちんとチェック機能が働くことが想定され、間違いが起こることは少ないと考えられる。

・事務所が多数あり、地方にいる方も相談がしやすい。

・様々な分野の税務を手がけているため、法人内でジョブローテーションがあり、相続が得意な担当者と苦手な担当者が散在している可能性がある。

・税理士事務所に訪問するため、はじめての相談は原則として予約制であり、少し敷居が高い。

・相続税の専門家であるため、税金以外のことに対してはその場でわからないこともあり得る。

・対応するのが税理士であることが多く、自分が何に悩んでいるのかわからないような場合には、税務分野の話に引き込まれて、それ以外の悩みが解決しない可能性がある。

・その他の分野の専門家は、紹介してもらえる可能性もあるが、改めて自分で探さないといけない分野もあり得る。

・担当する税理士によっては、対応が悪い、専門用語で説明等がわからないということも考えられる。

・報酬をインターネット等で開示していないところが多く、比較的高い。

③ 紹介

銀行や不動産会社、保険会社などが提携している税理士法人または税理士事務所。

・信頼している業者からの紹介であれば、安心感があり、取っ掛かり易い。

・税理士を探す手間が省けて効率的。

・地域をわかった上で紹介を受けるので、比較的都合のいい場所で紹介してもらえる。

・紹介される税理士によって、専門性、対応、料金などいろいろな部分に偏りがある。

・一度紹介されると断りにくい。

・場合によっては、実質的に強制を強いられることもある。

④ 個人事務所型

少人数で運営している税理士事務所など。

・相続が専門かどうかはわからない(できない、やったことがないとは言わないところが多い)。

・場所を選べるので行きやすい。

・一度相談に行くと断りにくい。

・税務の専門家であるため、税金以外のことに対してはその場でわからないこともあり得る。

・対応するのが税理士であることが多く、自分が何に悩んでいるのかわからないような場合には、税務分野の話に引き込まれて、それ以外の悩みが解決しない可能性がある。

・その他の分野の専門家は、紹介してもらえる可能性もあるが、改めて自分で探さないといけない分野もあり得る。

・担当する税理士によっては、対応が悪い、専門用語で説明等がわからないということも考えられる。

・ホームページが無いまたはわかりにくいところもあり、その場合は相談しにくい。

・報酬をインターネット等で開示していないところは、比較的高い。

⑤ 来店型

相続を専門に行い、税務だけでなく相続に関するすべての相談が可能な税理士法人。

・相続だけを専門としているため、専門性は高い。

・他の専門家との提携が強く、他の専門会社もグループで構成しているところもある。

・店舗型で、気軽に相談できるので敷居が低い。

・はじめの相談が、税理士ではなく、相続全般に詳しいコンサルタントであるため、話を聞いてもらいやすく、税務以外の相談や何から解決しなければいけないのかといった相談がしやすい。

・同じ場所で各専門家と相談できるので、いろいろな場所に行く手間が省ける。

・税理士以外の専門家との相談も担当コンサルタントが同席するため安心。

・女性のコンサルタントが多いため、話しやすい。

・相続を全般的に相談できるため、料金が若干割高。

・店舗数が少ない。

いかがでしょうか、自分にあった税理士は、どのタイプなのかイメージできましたでしょうか。

こちらの評価は、一般的な事務所を想定したものですので、該当するカテゴリに含まれる事務所でも、上記とは異なることもありますので、あくまで、参考としてご理解いただければと思います。

ご自身のタイプを把握しましたら、何人かの税理士に会ってみて、ご判断することをお勧めいたします。