相続のよくある質問

質問空き家は、解体しておいた方が良いのでしょうか

田舎に住んでいた両親が、数年前に亡くなりました。
私も妹も、既に持家があり、実家に戻る予定はありません。
この実家は、そのままにしていたのですが、そろそろ、どうするか考えなくてはなりません。
売ってしまうのか、このまま空き家としておいておくのか、解体して更地にしておいた方が良いのかを妹と話し合っています。
売るとしても、事前に解体しておいた方が良いのか、このままにしておいた方が良いのか、売れない場合はどうか、何かアドバイスはありませんでしょうか。

<実家の状況>
築15年の木造
土地面積 300㎡
解体費用 150万円
固定資産税評価額 (土地)  630万円
固定資産税評価額 (建物)  840万円

答え様々な要因を総合的に考えて判断することをお勧めします

売るにしても、売れないにしても、事前に解体するかどうかは、悩ましいですよね。
物件がある地域や、個別の物件ごとに変わってくるとは思いますが、事前に解体することの一般的なメリット・デメリットをまとめてみました。

<メリット>
・倒壊や、放火、害虫等の被害の問題が無くなる
・更地にすることで、見栄えが良くなり土地が売れやすくなる
・売却時に譲渡費用になるため、売却差益を抑えられる
・売却価格に上乗せできる可能性がある

<デメリット>
・解体費用がかかる
・不当投棄の問題が発生する
・建築基準法に定める再建築不可物件の場合、価値が相当低くなってしまう
・固定資産税の特例が受けられなくなってしまう

ここで、固定資産税の特例が受けられなくなるというデメリットについて、具体的に検証してみたいと思います。

まずは、現在の固定資産税額を算出してみます。

<解体前>

土地の固定資産税:1万9,600円
(630万円×200/300×1/6×1.4%+630万円×100/300×1/3×1.4%)
建物の固定資産税:11万7,600円
(840万円×1.4%)
合計      :13万7,200円

更地にすると建物の固定資産税は無くなり、土地に適用されている特例も適用できなくなります。
更地の固定資産税は、評価額の7割が上限になっています。

<解体後>

土地の固定資産税:6万1,740円
(630万円×0.7×1.4%)
合計      :6万1,740円

固定資産税の特例が適用できなくなっても、トータルでは7万5,460円少なくなります。
これは、土地と建物の評価がどのようなバランスであるかと広さがどれくらいあるかによって、異なりますが、本件において、固定資産税という観点だけでみると、解体しておいたほうがよさそうです。

とすると、費用面から検討した場合に、問題となるのは、やはり解体費用ということでしょうか。

例えば、解体費用が150万円ということですので、20年以上、空き家として保有しているのであれば、金額的な負担はどちらも同じになります。土地が売れるのであれば、売りたいということであれば、そのまま解体費用分が負担になりますね。

ここで、解体費用には補助金があるのをご存知でしょうか。これは、多くの自治体で行われていますので、一度調べてみてください。
これが受けられるのであれば、その分負担が軽くなります。

空き家を管理する人にとって、空き家が遠い場合等は、精神的負担もあるでしょう。
周りの環境や近隣との関係、お金の問題を総合的に考えて決めていくことが必要になってくるのではないでしょうか。

空き家を売るかどうかご検討の方は、一度ご相談にお越しください。