相続のよくある質問

質問認知症の前兆でしょうか

90歳の母と同居しています。
風呂やトイレなど生活の身の回りのことは何とかまだ自分でできますが、、、、。

先日、ちょっとしたことがあって母の部屋に入り「唖然!!!」
ちょうど多くの企業の決算に伴う配当金確定時期であったことから多数の配当金受領書が放置されていました。

こっそりその「期限」の切れた受領書を確認してみると、その額がとんでもない金額になっていたのです。

母は長い間株式投資家でしたが、証券会社で特定口座を開設しているのにも係らず、配当金をその口座での自動受領としていません。

自分で外出のままならなくなった母は郵送されてきた配当金受領書を放置し、それが放念となり、そして雑然とした書類の山に埋もれさせていたのです。

普段は100円以下の買い物でも頼んだ嫁ときっちり清算する母ですがその何万倍ものお金の始末はできていませんでした。

家内からは、「あなたが口出すと嫌がってそのつけがこちらに回るのでやめてください」と一喝されているので、そのまま放置をしています。

このまま、放置していて良いものでしょうか。なにか、しておいたほうが良いでしょうか。

答え怪しいと思ったら、セルフチェックや専門家などに相談しましょう

認知症は早期診断と早期治療によって高い治療効果が期待できるそうです。

年をとればだれでも、思い出したいことがすぐに思い出せなかったり、新しいことを覚えるのが困難になったりしますが、「認知症」は、このような「加齢によるもの忘れ」とは違います。

「加齢によるもの忘れ」と「認知症によるもの忘れ」の違いの例を見てみましょう。

加齢によるもの忘れ 認知症によるもの忘れ
体験したこと 一部を忘れる
例)朝ごはんのメニュー
すべてを忘れている
例)朝ごはんを食べたこと自体
もの忘れの自覚 ある ない
探し物に対して (自分で)努力して見つけようとする 誰かが盗ったなどと、他人のせいにすることがある
日常生活への支障 ない ある
症状の進行 極めて徐々にしか進行しない 進行する

何か気になることがありましたら、一人で悩まずに、専門家に相談しましょう。

また、認知症の疾患として、代表的なものは次のとおりです。

① 「アルツハイマー型認知症」

最も多いパターン。記憶障害(もの忘れ)から始まる場合が多く、他の主な症状としては、段取りが立てられない、気候に合った服が選べない、薬の管理ができないなど。

② 「脳血管性認知症」

脳梗塞や脳出血、脳動脈硬化などによって、一部の神経細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなり、神経細胞が死んだり神経のネットワークが壊れたりする。記憶障害や言語障害などが現れやすく、アルツハイマー型と比べて早いうちから歩行障害も出やすい。

これらをチェックするのに、「長谷川式認知症・MCIテスト」https://info.ninchisho.net/checkというのがあります。
まずは、それっぽいなと思うことがありましたら、こちらでチェックしてみてはいかがでしょうか。

また、専門家に相談をしたところ、それらしいとなった場合、周りのご家族はどうすればよいかと言うことが「公益社団法人認知症の人と家族の会」で公表されておりましたので、ご紹介します。

1.見逃すな「あれ、何かおかしい?」は、大事なサイン

認知症の始まりは、ちょっとした物忘れであることが多いもの。
単なる老化現象とまぎらわしく、周囲の人にはわかりにくいものです。
あれっ、もしかして?と気づくことができるのは、身近なかぞくだからこそです。

 

2.早めに受診を。治る認知症もある。

認知症が疑われたら、まず専門医に受診すること。
認知症に似た病気や、早く治療すれば治る認知症もあるのです。
また、適切な治療や介護を受けるには、アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症などをきちんと診断してもらうのは不可欠です。

 

3.知は力。認知症の正しい知識を身につけよう。

アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症では、症状の出方や進行、対応が違います。
特徴ををよく知って、快適に生活できるよう、その後の家族の生活や介護計画づくりに役立てましょう。

 

4.介護保険など、サービスを積極的に利用しよう。

介護保険などサービスを積極的に介護保険など、サービスを利用するのは当然のこと。
家族だけで認知症の人を介護することはできません。
サービスは「家族の息抜き」だけでなく、本人がプロの介護を受けたり社会に接する大事な機会です。

 

5.サービスの質を見分ける目を持とう。

介護保険サービスは、利用者や家族が選択できるのが利点。
質の高いサービスを選択する目が必要です。
また、トラブルガあったときは、泣き寝入りせず、冷静に訴える姿勢を持ちましょう。

 

6.経験者は知恵の宝庫。いつでも気軽に相談を。

経験者は知恵の宝庫介護経験者が培ってきた知識や経験は、社会資源の一つ。
一人で抱え込まずに経験者に相談し、共感し合い、情報を交換することが、大きなささえとなります。

 

7.今できることを知り、それを大切に。

知的機能が低下し、進行していくのが多くの認知症です。
しかし、すべてが失われたわけではありません。
失われた能力の回復を求めるより、残された能力を大切にしましょう。

 

8.恥じず、隠さず、ネットワークを広げよう

恥じず、隠さず認知症の人の実態をオープンにすれば、どこかで理解者、協力者が手をあげてくれるはず。
公的な相談機関や私的なつながり、地域社会、インターネットなどのさまざまな情報を上手に使い、介護家族の思いを訴えていきましょう。

 

9.自分も大切に、介護以外の時間を持とう。

自分も大切に介護者にも自分の生活や生甲斐があるはず、「介護で自分の人生を犠牲にされた」と思わないように自分自身の時間を大切にしてください。
介護者の気持ちの安定は、認知症の人にも伝わるのです。

 

10.往年のその人らしい日々を。

認知症になっても、その人の人生が否定されるわけではありません。
やがて来る人生の幕引きも考えながら、その人らしい生活を続けられるよう、家族で話し合いましょう。