相続のよくある質問

質問不動産の共有所有者が売却に同意してくれません

10年前に父が亡くなり、遺された財産は自宅のみでした。遺言書は遺されていなかったため、長男・次男・三男の子3人で話し合いをして3人の共有名義として相続をしました。

長男はもともと父名義の土地に、長男名義の建物を建てて生活しており、次男・三男は2人共家を出て生活をしており、今もその状態に変わりはありません。

当初、兄弟間で遺産分割協議を行った際は、長男は後々、自分名義の自宅を取り壊してその土地を出て行き、土地は売却をして売却額を3等分しようという約束のもとで3人の共有名義にしました。

ところが、一向に長男が自宅を出て行く様子が見られず、次男と三男はいつになったら売却できるのかと尋ねたところ、長男が売却したくないと主張しています。
何かよい方法はありませんでしょうか。

答え長男に買い取ってもらえる可能性はないでしょうか

共有名義不動産とは、一つの不動産を「持分」という割合(全体の3分の1や、10分の3など)で、複数の共有者が持ち合う状態のことを言います。
各々が持分割合の範囲で所有権を持つ事であり、一つの不動産の「どこの部分を所有する」というものではありません。

共有名義不動産は、相続にて取得した親族間の土地・建物に多く、今回の事例のように親族で持分登記をしている場合が多いです。
今回の事例では、『区分所有』ではなく、『共有名義』になっていることにより、共有名義人3人の合意がないと何もする事が出来ないという状況になっています。

土地の形や長男名義の建物が建っている位置にもよりますが、名義変更を行う際に、3人の共有持分をするのではなく、土地を3分割に区切り、それぞれの所有している境界を明確にしておけば、長男の所有している部分のみを残し、次男・三男の所有部分のみを売却できたかもしれません。

また、長男に金銭的余裕があれば、次男と三男持分を買い取るという方法もあります。長男へ、次男・三男の持分の権利移転を行えば、長男1人の名義となるため、揉める事もなくなります。