相続のよくある質問

質問不動産を使った相続税対策はどんなものがありますか

私の相続財産といえば、主に不動産です。不動産を使った節税対策があれば、教えてください。

答え5種類の不動産対策をご紹介します
(1)小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例とは、被相続人が所有していた居住用宅地や事業用宅地の相続において、小規模宅地等に該当するものについては、相続税の評価額を大幅に減額することができる制度です。例えば、相続税法上の土地の評価額が1億円の場合、居住用宅地に小規模宅地等の特例を適用すると、土地の評価額が80%減額され、2,000万円となります。本来ならば、土地を持っているだけで相続税が発生する方も、小規模宅地等の特例が適用できれば相続税が発生しなくなる場合もある為、非常に有効な節税対策と言うことができます。

(2)賃貸物件を建てて貸す・資産の組み換えを行う

賃貸アパートやマンションを建てて人に貸している土地の評価額は、貸家建付地の評価減に該当し、入居率が高ければ高い程、土地の評価額を大幅に下げることができます。

また、現預金で投資用マンションを購入することや現在所有している路線価の低い広い物件から路線価の高い狭い物件に組み換える等の資産の組み換えを行うことも、節税対策や納税資金の準備、相続が発生した際に財産を分割しやすくすることができます。

(3)分筆する

「分筆」とは、登記簿上の1つの土地を、複数に分けることをいいます。
分筆することにより、地形や接する道路や路線価を変えることで、土地の評価額を下げることができます。
分筆が相続税対策となるには、以下の3つが前提条件となります。
•分筆後の土地の所有者がそれぞれ異なる相続人であること
•分筆により、地形や接する道路、路線価が変わり、土地の評価額が下がること
•分筆の手続きを相続税の申告前に行っていること

分筆を行うには、測量等の作業とコストが発生します。分筆を行う前に、分筆の作業コストと節税効果額をよく比較検討することをお勧めします。

(4)売却する

土地を売却することで、相続税の納税資金の準備や遺産分割がしやすくなります。その為、将来的にその土地を利用する予定がなく、収益性も期待できない場合は売却を検討されることも良いかもしれません。
しかし、売却をすると、財産が現金化されます。土地の場合には貸家や貸家建付地、小規模宅地等の特例等の土地の評価額を下げる方法がありますが、現金はそのまま相続税課税価格になる為、現金の方が、相続税が高額になることもある為、注意が必要です。

(5)リフォームする

ここでいうリフォームとは建物内部のリフォームのことを指し、増築や改築とは異なり、建物の外部には変更を加えないことを前提とします。
相続税の計算において、建物(家屋)は固定資産税評価額で評価されます。
原則として、建物の床面積の増加あるいは減少を伴わないリフォーム工事が行われた場合には、建物の固定資産税評価額は変わりません。
例えば1,000万円の費用をかけてリフォームしても家屋の相続税評価額は増加しないため、リフォーム費用1,000万円をそのまま相続財産から減らすことができるのです。
リフォームにより相続財産を減らして、さらに家族の生活の快適度を向上させることができるという点でとても効果的な相続税対策です。