相続のよくある質問

質問父の投資不動産 相続まで待つ?生前贈与?

父は、今、68歳です。父が保有する都内の投資不動産(時価 1億5千万円)で、その不動産から得られる収入が約1千万円です。
父は、他の財産もあるので、相続対策として、このままこの投資不動産と収益を父に帰属させたままでよいのかと考えております。
ちなみに、その他条件は、下記の通りです。
投資不動産:5年前に父が購入
その他の財産:3億円
家族構成:母、私、弟

答え生前贈与をすると将来の賃貸収入分が相続財産ではなくなります。

対象不動産から収益が見込まれる場合は、その収益をお父様に帰属させないことで、お父様の相続財産をこのまま保有する場合よりも圧縮させることができます。
例えば、対象不動産から得られる収入が1,000万円というのが、生涯変わらないことを前提に、このまま不動産を保有し続けて、男性の平均寿命81歳(平成14年厚生労働省の調査:男性80.5歳)で相続が発生した場合と、現時点で投資不動産を相続人に相続時精算課税を利用して贈与した場合を比較してみましょう。

相続税額表

上記前提では、相続が発生するまでの賃貸収入は、1億3千万円になりますから、このままお父様が保有していた場合と相続人の一人に所有権を移転した場合とでは、5,525万円の差額になります(※)。
 ※現在の相続税1億985万円、平均寿命時の相続税1億6千510万円
※配偶者に対する相続税額の軽減は加味しておりません。
※投資不動産の価値の増減は加味しておりません。
※移転した相続人のその他の収入は加味しておりません。
※生活費等で消費する額などは加味しておりません。
その他の財産がどのような種類(分けることができる財産かそうでないか等)の財産であるかにもよりますが、遺産分割の話し合いがまとまっており、将来揉めるリスクなども低いようでしたら、現時点で所有権を移転して、対象不動産から得られる収益を事前に相続人に帰属させるのも相続税対策になりますので、検討してみるのもよいでしょう。
実際の節税見込額などは、お子様の所得なども加味して複合的にシミュレーションしないとわかりませんので、お気軽にご相談ください。