相続のよくある質問

質問遺産分割協議書ってどのように作ればいいの?

今月に入り、父の相続が発生した。遺言書はなく、自分と母親と弟の3人が相続人である。
法定相続分に基づいて考えると、母が1/2、自分と弟で1/4ずつ分割することになるが、母はそんなに財産はいらないと言っている。遺産分割協議を行えば、法定相続分通りの分け方でなくても良いと聞いたが、一体どうすればよいのか?それに、遺産分割協議書はどうやって作るのだろう?

答え相続人全員の合意が必要です

遺言による遺産分割の指定がない場合は、相続人全員の話し合いにより遺産の分割方法を決めることができます。この話し合いを遺産分割協議といいます。
協議がまとまり、各相続人の取得すべき財産が確定したら、遺産分割協議書を作成します。
遺産分割協議書は、相続財産(預貯金・株式・不動産等)の名義変更時や、相続税申告の際に書類に添付して提出します。
では、次に遺産分割協議書に記載する項目やポイントを押さえていきましょう。

●被相続人の情報

遺産分割協議書の冒頭に、被相続人の氏名、本籍地、最後の住所地、死亡年月日等を記載します。

●財産の情報

次に、被相続人の財産と、誰が相続するかを個別に記載します。品目ごとの注意点は以下の通りです。
・現預金
手元現金についてはその金額を、預金については、金融機関名、支店名、種類、口座番号、相続開始時の残高を明確に記載します。
・不動産
登記事項証明書の記載通りに、土地であれば所在、地番、地目、地積等を、家屋であれば所在、家屋番号、種類、構造、床面積等を正確に記載します。
・債務
債務については、原則として各相続人が相続分に応じて負担するものですが、 相続人間では、誰がどのように負担するか決めておく必要があります。

●特記事項

・代償分割
代償分割を行う場合には、その金額、支払方法、期限についても記載します。
・新たな遺産について
遺産分割協議後に判明した遺産については、あらかじめ誰が取得するかを遺産分割協議で決めておけば、新たな財産が見つかった時に再度遺産分割協議をする手間がなくなります。

●署名・実印

相続人全員の署名(または記名)と、実印を押します。記名+実印でも可とされていますが、署名+実印の方が証明力が高いといえるので、後々もめないためにも良いでしょう。

●印鑑証明書の添付

遺産分割協議書には相続人全員の印鑑証明書を添付します。有効期限は基本的には定められていません。ただし、金融機関での口座解約手続きなどをする際には3ヶ月以内の印鑑証明書が、また不動産登記の際にはおおむね6ヶ月以内の印鑑証明書が求められる場合があります。

●保管

遺産分割協議書の作成は1通だけでも構いませんが、相続人全員が平等に保管できるよう、相続人の人数分、原本を作成し、各自が保管しておくことが望ましいでしょう。