相続のよくある質問

質問必ず遺言書どおりに遺産分割しなければならないの?

先月父が亡くなり遺言書が見つかった。相続人は母・私(長女)・妹(次女)の3人だけど、そこには、「父の財産は全て母が相続する」と書いてあった。でも私も妹も子どもがいるので、私達2人も少しは財産を相続したいし、かわいい孫のためと母も賛成してくれている。相続人全員が遺言書とは違う分割方法にしたいと思っているのに、それでも遺言書通りに相続しなくてはいけないの?

答え遺言書より相続人全員で決めた分割方法が優先されます

もし遺言書で遺産分割方法が決められていても、相続人全員の同意があれば、遺言書通りではなく、相続人で分割方法を決めることができます。その場合、遺言書より相続人全員で決めた分割方法が優先されます。
ただし、次の点に注意しなくてはいけません。

①遺言執行者が遺言によって定められていた場合には、遺言執行者の同意も必要となります。
②遺言によって受遺者(遺言の中で遺産を受けとる人として指定された人)が定められていた場合には、受遺者の同意も必要となります。
③既に遺言にもとづき分割を済ませていた場合(特に登記などを済ませていた場合)には、遺産の再分割と同様に課税の問題が生じます。

上の事例の場合、遺言書には母が全て相続すると書かれていますが、遺言の中に受遺者や遺言執行者の記載がない場合、相続人である、母・長女・次女全員の同意があれば、長女と次女は父の遺産を相続することができ、その相続金額も全員で決めることができます。
(ただし、その場合には原則として遺産分割協議書が必要になります。)