相続のよくある質問

質問相続で受取った不動産の名義書換えに必要な書類は何ですか

相続が発生しました。
相続した財産に不動産があるので、その名義変更をしたいのですが、その手続きに必要な書類はどういったものがありますでしょうか。

答え元々の登記状況によって違いはありますが、主に必要となる資料は以下の通りです

不動産を相続した場合には、何もしないと、法定相続分で相続人全員が共有している状態になります。
相続人のうち、対象の不動産を誰が受取るかが決まったら名義を変更するために登記の手続きをします。
その変更には、原則として相続人全員が了承したという書類を揃えて手続きをします。
その際に必要な主な書類は以下の通りです。

(1)亡くなられた方(被相続人)の書類
① 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

 

【取得場所】
市区役所・町村役場
被相続人の本籍地で申請する必要があります。

 

【内容】
相続税申告書の添付書類として、又相続財産の名義変更の際に必ず必要となります。

転籍や婚姻などをされている場合、転籍前や婚姻前の本籍地所在地の市区町村で、除籍謄本や改正原戸籍を取得しなければなりません。
また、現在の戸籍謄本がコンピュータ化されている場合、コンピュータ化前の改正原戸籍も取得しなければなりません。
※転籍を多く繰り返していると、相続手続きの際に必要な除籍謄本は多くなるために注意が必要です。

 

【取得方法のコツ】
まずは、最後の戸籍がある市区町村役場で、「相続の手続きに必要な書類を集めています」と伝えて、その場所にある戸籍をすべて取得します。
その際に、一番古い戸籍を確認していただき、「○○年○月○日 △△(地域)より転籍」という記載がある場合は、その△△でまた戸籍を取得します(例:「1995年5月1日 世田谷区南烏山より転籍」と記載がある場合は世田谷区役所で取得します)。
これを何度も繰り返し、最終的に出生時の本籍がある戸籍謄本まで遡ります。
戸籍の見方がよくわからない、取得方法が難しいという方は、市区町村役場の人に聞けば教えてくれますのでその場で聞いてみましょう。
また、郵送で取得する際には、取得手数料として、小為替を購入して依頼の際、同封して送付することになりますが、小為替には1枚100円の手数料がかかります。
送付方法には経験とコツがありますので、費用と手間を考えると司法書士などの専門家に取得を依頼したほうが、安く抑えることができる場合もありますので、ご検討いただければと思います。

② 被相続人の住民票の除票

 

【取得場所】
市区役所・町村役場

 

【内容】
住民票の除票とは、死亡したときに死亡時の住所地で作成されるものです。

(2)相続人の書類
③ 全員の戸籍謄本

 

【取得場所】
市区役所・町村役場

 

【内容】
世帯全員分(現在戸籍のみで構いません)取得して下さい。

④ 不動産を相続した相続人の住民票

 

【取得場所】
市区役所・町村役場

 

【内容】
本籍や続柄等の全ての記載があるもの(省略事項のないもの)を世帯者全員分ご準備下さい。

⑤ 遺言書又は遺産分割協議書

 

【取得場所】
遺言書は、公正証書遺言の場合、公証役場に問い合わせることで、用意されているかどうかを確認し、謄本(写し)を入手することもできます。
遺産分割協議書は、相続人で協議し作成します。専門家に依頼して作成してもらうこともできます。
遺言書がある場合でも、その内容によっては、遺産分割協議書を求められることもあります。

 

【内容】
遺産分割協議書は、相続人全員が実印で押印してあるものが必要です。

⑥ 全員の印鑑証明書

 

【取得場所】
市区役所・町村役場
印鑑証明書は、原則として委任状があっても代理取得ができません。

 

【内容】
遺産分割協議書への添付書類です。

⑦ 相続関係説明図

 

【取得場所】
相続関係説明図は、相続人が作成します。専門家に依頼して作成してもらうこともできます。

 

【内容】
戸籍謄本を元に被相続人と相続人の関係を表現した家計図のようなものです。
これを添付することで、提出した戸籍謄本の原本還付してもらえます。他の手続きにも利用するなど、原本を返して欲しい場合は、こちらを用意することをお勧めします。

⑧ 対象不動産の登記簿謄本(全部事項証明書)

 

【取得場所】
法務局

 

【内容】
登記簿謄本とは、不動産の構造や面積、所有者などが書かれた書類です。
古い謄本は、「登記簿謄本」と言われていましたが、最近では、書類がコンピュータ化され、「登記事項証明書」と言われています。
所有者やその親族でなくても、誰でも交付を請求することができます。
登記事項証明書には、登記記録の全部を記載した全部事項証明書と、一部を記載した一部事項証明書、現在事項証明書などがありますが、取得の際には全部事項証明書を請求します。

⑨対象不動産の固定資産評価証明書

 

【取得場所】
東京23区:都税事務所
その他の地域:市区役所・町村役場

 

【内容】
固定資産評価証明書とは、不動産の固定資産評価額が記載された書類です。
年度ごとに、毎年4月1日に新しいものに変わります。
相続登記の際は、亡くなった年度のものではなく、提出する年度のものを利用します。

 

【取得方法のコツ】
自治体によって、名称が異なる場合があります。「固定資産課税台帳登録証明書」、「課税台帳記載事項証明書」などがありますが、相続手続きで使いますと伝えるとスムーズです。

銀行預金の相続の場合においての必要書類の詳細はこちら>銀行預金の相続手続き徹底マニュアル
不動産の相続の場合においての必要書類の詳細はこちら>相続登記は自分でできる?相続登記必要書類とは