相続のよくある質問

質問戸籍の附票の役割とは?

相続手続きで、戸籍の附票を取得するように言われているのですが、これは何でしょうか。
必ずとらないといけないものなのでしょうか。
どういう役割があるのか、住民票との違い等を教えてください。

答え戸籍の附票は住所の移り変わりを記載した証明書です

戸籍の附票とは、戸籍に記載されている人についての住所の移り変わりを記録したものになります。
役所にて証明書として発行されたものを「戸籍の附票の写し」といいます。

 

住民票にも住所が記載されているので何が違うのか?と思う方もいらっしゃるかもしれません。

 

住民票には、氏名、出生年月日、性別、世帯主氏名、続柄、戸籍の表示、住所、住民となった年月日、等の事項が記載されています。
戸籍の附票には、戸籍の表示、氏名、住所、住所を定めた年月日の4項目のみが記載されています。
これだけ聞くと、住民票があれば事足りるのに戸籍の附票は何のためにあるのか?と疑問に思ってしまいますね。

 

戸籍の附票がどんな時に役に立つかといいますと、まず住民票の仕組みからご説明します。
住民票には、現在の住所地が記載されます。他の市から転入してきた際には、住所の欄に現住所が記載され、前住所の欄に引っ越す前の住所が記載されます。
要するに、住民票に記載されるのは、①その市に来る前の住所②その市の住所③その市から転出した住所の3つが記載されます。

 

例えば、AさんはA市→B市→C市→D市と住所が変わったとします。(現在はD市に居住)
住所が移り変わったことを証明するとき、直近のD市で住民票を取ると、現住所としてD市の住所が記載され、前住所としてC市の住所が記載されます。
B市とA市の住所は載ってきません。
B市の住所を載せるには、C市で住民票の除票を取れば前住所としてB市の住所が記載されます。
さらに、B市で住民票の除票を取れば、A市の住所が記載されます。
このように、一つ一つ以前の住所を遡っていけば、住民票で住所の移り変わりを証明する事ができます。

 

ですが、これがA市が北海道、B市が沖縄県、C市が宮城県、D市が大阪府で・・・といった様に各地を転々とされている方やそれぞれの市の距離がとても離れている方はどうなるでしょう。
直接その住所の窓口に行くか、郵送で請求して送ってもらうかのどちらかになりますが、何か所も点在している場合にはとても骨の折れる作業になります。
そんな時に、戸籍の附票がとても役に立ちます。

 

戸籍の附票には、上記の場合のA市、B市、C市、D市の全ての住所が記載されています。
そして、それぞれいつその市に移ったのか、その日付も記載されています。
住所の移り変わりを証明する必要がある時に、戸籍の附票を1通取れば事が済むので、そういった場面で役割を発揮すすることになります。

 

では、この証明書を取りたいと思ったときは、どこで取得できるのでしょうか。
戸籍の附票は、本籍地の役所で取得できます。居住地(住民票の住所地)の役所ではないため、ご注意ください。

 

あまり使用頻度の高くない書類ではありますが、場合によっては取得すると大変役に立つ書類です。