相続が発生すると色々とやることが有ります。
たくさん有りすぎて、まずは何からどのように行っていけばいいのだろうと迷うこともあると思います。
そこで、相続税の申告が必要な方の一般的なスケジュールがどんなイメージになるかを見ていきましょう。

相続スケジュール(申告有り、一般的な)

※ご家族によっては、優先順位などが異なりますので、一般的な例であることをご了承ください。
※期限が明確に決められているものはオレンジの網掛けの部分です。
※期限が明確に決められているわけではないが、このくらいに行うのが一般的と考えられるものは黄色の網掛けの部分です。
※項目ごとに、大体この辺で行うのが一般的ではないかと思う時期に入れている項目も、期限があるものについては、赤字で記載しています。

期限があるものとないものが有り、特に相続税の申告が必要ない方は、このスケジュールとは、違ったイメージになるとは思います。
スケジュールは、ご家族ごとに本当に、優先順位が異なっていますので、実際にどんなスケジュールで行うかは、ご相談いただければと思います。

(1)7日以内に行う項目

火災埋葬許可申請及び死亡届の提出は、7日以内に死亡地、本籍地、住所地のいずれかの市区町村役場に行います。

(2)おおむね1週間前後に行う項目

お通夜や葬儀等を行います。このとき、相続放棄等をご検討の場合、被相続人の預金を引き出してしまうとできなくなる恐れが有りますので、注意してください。
また、相続税の申告をする場合などは、葬儀費用などが相続財産から控除できますので、領収書などしっかり保管をしておきましょう。

(3)14日以内に行う項目

主に市区町村や社会保険事務所などに手続きをする項目となります。
こちらは住所地の市区町村役場で手続する必要が有ります。その他、必要に応じて行う届出もあれば、一緒に行うと良いでしょう。

(4)おおむね1ヶ月以内に開始が望ましい項目

役場関係に対する届出や手続が一通り終わったら、早速始めたい手続が法定相続人の調査、遺言書の有無の確認、相続財産の調査などを開始することです。
法定相続人の調査といっても、相続手続き全般で必要となる被相続人の出生から死亡までの戸籍の収集は、(3)以前の項目と合わせてできるものもあるかもしれません。
遺言書の有無の確認は、まず、近くの公証役場に遺言書が無いかを確認しましょう。全国どこの公証役場で公正証書遺言を作成していても検索してくれます。また、公証役場ではなく直筆で遺言書(自筆証書遺言)を残している可能性がある場合には、有りそうな場所を探してみてください。通帳等が保管されている場所や仏壇、書斎などがある場合には、その辺にあることが多いようです。
財産の調査は、被相続人がまとめてくれていれば、良いのですが、何があるかわからないなどの場合には、自宅の近所、勤務先の近所などから調査してみましょう。特に個人的な借金などは見つけにくく、後から発見した場合には、とても困りますので、注意して調査してください。

(5)おおむね2ヶ月~3ヶ月以内に開始が望ましい項目

(4)の調査をはじめたころ、四十九日の法要の時期になります。今は、葬儀と一緒に行う方もいらっしゃいますが、この時期に行うご家族がやはり多いです。
法要が落ち着きましたら、早速調査した財産の評価を行いましょう。土地や株式(特に自社株式)の評価は、煩雑ですから、相続税が発生する場合や相続人間で揉め事になりそうな方は、専門家に行ってもらうことをお勧めします。

(6)3ヶ月以内に行う項目

相続放棄や、限定承認をお考えの方は、3ヶ月以内にこれらの手続を行う必要が有ります。
相続放棄は、それぞれの相続人が単独でできますが、限定承認は相続人全員で行う必要が有ります。
また、この期限を延ばしたい場合には、「相続の承認又は放棄の期間の伸長」ができますが、この申請は受理されなかった場合、再申請できませんので、専門家に依頼することをお勧めします。

(7)おおむね4ヶ月以内に開始が望ましい項目

相続財産の評価ができましたら、財産目録を作成しましょう。財産目録は、相続税の申告が必要な場合に役に立ちますが、申告が必要でない場合でも、遺産分割協議書などを作成する際の検討資料となります。また、将来揉め事になった場合に、相続発生時に存在した財産一覧は絶対にあった方が良いですから、リスク回避のためにも作成することが望ましいです。

(8)4ヶ月以内に行う項目

被相続人が亡くなった年の1月1日から亡くなった日までに一定の収入がある場合には、確定申告を行う必要が有ります。この最後の確定申告を「準確定申告」といいます。
これは、亡くなった日から4ヶ月以内に申告及び納付をする必要が有ります。

(9)おおむね5ヶ月以内~開始が望ましい項目

財産目録が作成できたら、どの財産を誰が相続するのかを相続人全員で協議しましょう(遺言書が無い場合等)。既に決まっている場合や、すぐに決まった場合には、その協議の結果を遺産分割協議書に記載し、各人が押印して、それぞれ保管するのが良いでしょう。この押印は、印鑑登録している印鑑が必要になりますので、印鑑登録をしていない方は、改めて印鑑登録する必要が有ります。海外に居住している方は印鑑証明などが有りませんので、サイン証明が必要になります。
遺産分割協議書ができましたら、不動産の登記や、その他名義書換などの手続をしていきましょう。遺産分割協議書がない場合でもできる手続も有りますが、これがあると、必要な書類が少なくて済む場合も有ります。
また、これらが落ち着いたら、給付金などが受けられるものがいくつか有りますので、そちらの手続もしましょう。給付を受けられる手続は期限が2年から5年と長いですが、一気にやってしまわないと忘れてしまう恐れも有りますから、できる時にやっておく方が良いでしょう。

(10)10ヶ月以内に行う項目

相続税の申告が必要な方は、10ヶ月以内に申告及び納付をする必要が有ります。土地などの売却をして納付するなどの場合は、手続を早めに行わないと間に合わない可能性も出てきてしまいます。また、必要な場合には、相続税延納申請や相続税物納申請などをしましょう。

(11)1年以内に行う項目

被相続人が遺言書を遺していた場合で、遺留分を侵害された相続人は、遺留分を侵した相手に対して遺留分減殺請求をすることができます。こちらは侵害を知った日から1年以内です。この1年は意外に早く、気が付いたら請求できる期限が過ぎてしまっていたという方も多いので、請求をお考えの方は、早めに行うことをお勧めします。尚、請求の方法は、口頭でもできますが、配達証明付きの内容証明等で行うのが一般的です。相続人間で話がまとまらない場合は、裁判所の調停または訴訟を利用することになります。
また、相続開始から10年がたつと、知らなかった方も請求できなくなります。

(12)申告から3年(3年10ヶ月)以内に行う項目

10ヶ月以内に相続財産の分割がまとまらなかった場合は、未分割申告をしますが、その後3年以内に分割の確定が前提となっております。これを過ぎると、配偶者控除や小規模宅地等の特例などが適用できなくなってしまいますので、3年以内に更正の請求をする必要があります。

(参考)相続手続きリスト