相続のよくある質問

質問父名義の実家、父が施設に入っていても小規模宅地等の特例は使える?

実家は父名義なのですが、現在父は認知症を患い、施設に入居しています。この場合、父は実家(空き家)には住んでいないということになり、小規模宅地等の特例も使えないのでしょうか。

【家系図】図1
図2

答え要件によっては、使えます

最後まで自宅に居住していられるということは、幸せなことかもしれませんが、そうもいかない場合も多いと思います。
例えば、病院に入院したり、老人ホーム等の施設に入居したりすることもあるでしょうか。

こうして施設に入居する直前にお住まいだったご実家が空き家となった場合、老人ホーム等が自宅となるため、小規模宅地等の特例は使えないの?と疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれません。

この場合には、下記の要件を満たすことで、小規模宅地等の特例が利用できる場合があります。

① 介護等を受ける必要があるため、(介護保険法等に規定する)老人ホームに入所することとなったと認められること。(特別養護老人ホームの場合はこの要件を満たすと考えられる。)

② その被相続人が老人福祉法等に規定する有料老人ホーム等(以下「老人ホーム等」)に入居または入所(以下「入居等」)していたこと

③ 自宅は、被相続人がいつでも生活できるように維持管理されていること。

④ 入所後、新たにその建物を他の者の居住用その他の用に供していた事実がないこと。

⑤ その老人ホームは所有権又は終身利用権を取得して入所したものではないこと。

本件で言うと、お父様が要介護認定等を受けて、老人福祉法等に基づく老人ホーム等に入居等し、その後、いつでも自宅に戻れるようになっている場合であれば、その敷地についても小規模宅地等の特例を利用できる可能性があります。