相続のよくある質問

質問相続対策で孫に承継させるとどんな効果がありますか

相続対策として、孫に財産を承継することがよいという話を聞いたのですが、どのような効果があるのでしょうか。また、孫に相続財産を承継させるにはどのような方法があるのでしょうか。

答え代飛ばし相続のメリットと方法を解説します

孫が財産を承継した場合、被相続人の財産を減らすことができる為、相続財産を圧縮することができます。

また、法定相続人に贈与した場合、贈与した時から3年以内に相続が発生するとその贈与財産は相続税の対象に加算され、生前贈与の効果はなくなってしまいます。
しかし、孫等の法定相続人以外の方に贈与した場合は3年以内に相続が発生したとしても、その贈与財産は相続税の対象に加算されません。さらに、被相続人から孫に財産を移すことにより相続税が課税される機会を一代回避することができ、相続税の節税対策を図ることができます。

基礎控除を超える金額の贈与を行う場合には贈与税が発生しますが、相続税を回避することができることを踏まえますと、結果として孫に財産を贈与した方が税額を抑えられる場合があります。

(1)孫に財産を遺すメリット・デメリット
メリット

・一代飛ばして相続することで、子から孫への相続を飛ばすことができ、一族の相続税総額で考えた場合、税額が軽減される可能性がある

・孫を養子にした場合、基礎控除額や非課税枠が1人分増える為、節税効果になる可能性が高い

・法定相続人に贈与した場合だと、相続開始前3年以内の贈与財産は相続税の対象に加算されてしまうが、孫に贈与した場合は相続税の対象に加算されない

デメリット

・孫へ相続した場合、2割加算された相続税が課せられる

・孫へ贈与した場合、贈与税が相続税よりも高くなることがある

・特定の孫のみを養子にした場合、他の親族とのトラブルになる可能性がある

(2)孫に財産を残す方法

また、孫に財産を遺すには、主に下記の4つの方法があります。孫は(代襲相続人である場合を除き)原則として法定相続人ではない為、生前に下記のような方法をとらなければ孫に財産を承継することはできません。

・生前贈与(※)
・養子縁組
・遺言書による遺贈(財産を信託する場合を含みます。)
・保険受取人に指定

※生前贈与には、暦年贈与の他、孫にも適用できる「教育資金の一括贈与」や「結婚・子育て資金の一括贈与」、「住宅取得等資金贈与」等の特例もあります。

生前贈与で孫に財産を遺す場合は、できるだけ早い段階から孫への生前贈与を始めることで、より相続税の節税効果が大きくなる可能性があります。その為、孫へ財産を承継させる場合は、計画的に行うことをお勧めします。