相続のよくある質問

質問両親が住んでいた家を相続し、その活用を悩んでいます

数年前に父は他界しているのですが、先日、母が他界してしまいました。世田谷にある両親が住んでいた家は、誰も住む予定がなく空き家になってしまう可能性があります。
これをどうしたらよいかと私を含めた4人兄弟で話し合っていますが、2つの意見に分かれています。
4人のうち2人は売却して現預金を4等分に分けようと言っており、他の2人はリフォームして賃貸収入を4人で得ようと言っています。
どちらの方が良いか、何かよいアドバイスは有りませんでしょうか。

答え相続発生後の不動産活用は、様々な角度から検証しましょう

このようなお悩みは、よくお伺いします。
どんなことを考えて判断をすべきか経験の中からあげると以下になるかと思いますので、チェックしてみてください。

① 遺産分割について、相続人の全員が納得しているのか
② 誰が自宅を相続を誰がリフォーム費用を支払うのか合意をしているか
③ 賃貸にした場合の管理等は誰が行うのか
④ (賃貸収入-リフォーム費用)と売却額どちらが良いか
⑤ 一括で資金が入る方法と月額など定期的に資金が入る方法のどちらが相続人に合っているか
⑥ 自分たち若しくは、自分の子供達等が、将来揉める可能性はないか
⑦ 賃貸の場合に借りてくれる人がいるのか又は売却の場合に売り先があるのか

まずは、具体的に、数字の検証をして見ましょう。
例えば、このような前提だとどうでしょうか。

<前提>
【売却の場合】
売却査定額:5,000万円
売却手数料等は、売却額の1割と仮定

【リフォームして賃貸の場合】
リフォーム代:1,000万円
賃貸収入:月20万円
賃貸収入は、6年に一度1割縮小し、5割になったらそのまま変わらないものと仮定
修繕費:10年に1回100万円と仮定
管理費等は、賃貸収入で賄えるものと仮定

※他の所得や他の相続財産は不明ですので、税金は考慮していません。
※時代の変化による物価指数などは加味していません。
※前提は、実際のものに近いように設定していますが、これ以外の諸費用等は加味しておりません。

上記の前提のもとで計算すると、損益分岐点は、30年を超えてきます。

比較グラフ

後は、管理を誰がやるかどうかや30年後となるとその後の相続も関係する可能性もありますから、そこで揉める可能性が無いかなど、数字とは違う部分での検討が重要になってくるのではないでしょうか。

途中で売却することも考えられますが、そのときの地価がどうなっているのかは読めません。この不動産が共有名義であるということを前提にすると、そのときに意見が割れる可能性もあります。

現段階で面倒見の良い相続人の一人がいても、相続等が発生し、次の世代に移った場合にその後これらをまとめていくことが出来るのかも視野に検討する必要があります。

このように、いろいろな局面から総合的に考えてみてはいかがでしょうか。