(1)相続登記とは

相続が発生すると、被相続人(亡くなった方)の財産は、名義変更をするまでは、法定相続分で法定相続人が共有している状態になります。
共有名義とは、下記のような状態のことを言います。

◆複数の共有者が持ち合う状態のこと
◆1つの不動産のどこの部分を所有するというものではない
◆持分所有とは異なる

では、共有名義になぜなってしまうのか。

住宅を購入などした場合に税金面のメリットを享受しようと考え、敢えて共有にする場合もありますが、主には相続で共有名義になっています。不動産を相続した場合、名義書換えをする必要がありますが、この名義書換には期限がありません。そうすると、何もしなければ法定相続分での名義書換えが手続的に楽であることから、深く考えずに共有にしてしまっている場合があるのです。

(2)相続登記を共有名義で行った場合や、
相続登記をしないことで起こってしまうこと

対象不動産を売却しようと考えた場合やその不動産を担保にローンを組みたい場合などは、共有名義人全員の同意(遺産分割協議)が必要で、それには実印とその印鑑証明も添付する必要があります。協議する相続人と人間関係ができていない場合、また多数に及ぶ場合、この手続きが大変になり、時間も労力もかかります。

売りたい相続人と売りたくない相続人がいる場合、その協議がまとまらず、専門家を介さないと手続に進めないということになってしまうこともあります。

<意見をまとめないとできない例>
・家屋の取り壊し
・大規模改造
・建替え
・利用形態の変更
・家屋の建築
・ローンの担保

②のようなことをする場合、共有名義人全員の同意がないと、手続きが進められないため、専門家を介さないと手続に進めないということになってしまいます。

(3)相続登記をしよう
1、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等
内容 相続税申告書の添付書類として、又相続財産の名義変更の際に必ず必要となります。
転籍や婚姻などをされている場合、転籍前や婚姻前の本籍地所在地の市区町村で、除籍謄本や改正原戸籍を取得しなければなりません。また、現在の戸籍謄本がコンピュータ化されている場合、コンピュータ化前の改正原戸籍も取得しなければなりません。
※転籍を多く繰り返していると、相続手続きの際に必要な除籍謄本は多くなるために注意が必要です。
取得場所 市区役所・町村役場
被相続人の本籍地で申請する必要があります。
備考 当店で取得することも可能です。
2、被相続人の住民票の除票
内容 住民票の除票とは、死亡したときに死亡時の住所地で作成されるものです。
取得場所 市区役所・町村役場
備考 当店で取得することも可能です。
1、全員の戸籍謄本
内容 世帯全員分取得してください。(現在戸籍のみでかまいません。)
取得場所 市区役所・町村役場
備考 当店で取得することも可能です。※6ヵ月以内のもの
2、不動産を取得する者の住民票
内容 不動産を取得される方の本籍や続柄のすべての記載があるもの(省略事項のないもの)をご準備ください。
取得場所 市区役所・町村役場
備考 当店で取得することも可能です。※6ヵ月以内のもの
3、遺産分割協議書
内容 相続人全員が実印で押印してあるものが必要です。
取得場所
備考 当店で取得することも可能です。
4、全員の印鑑証明書
内容 遺産分割協議書への添付書類です。
取得場所 市区役所・町村役場
備考 ※6ヵ月以内のもの
5、全員のご実印
内容
取得場所 お手元にあるものをご用意ください。
備考
6、対象不動産の登記簿謄本(全部事項証明書)
内容 所有者やその親族ではなくても、誰でも登記事項証明書の交付を請求することができます。登記事項証明書には、登記記録の全部を記載した全部事項証明書と、一部を記載した一部事項証明書、現在事項証明書などがありますが、取得の際には全部事項証明書をご請求するようお願い致します。
取得場所 法務局
備考 当店で取得することも可能です。※6ヵ月以内のもの
また、最近ではコンピュータ化された一部の法務局で他の管轄の登記簿も取得できるようになりました。(登記情報交換システム*
7、対象不動産の固定資産評価証明書
内容 固定資産評価額は、毎年5月頃に送られてくる固定資産税の納税通知書に同封された、「課税証明書」に記載されています。固定資産評価額は「課税明細書」を見れば分かりますが、相続や売買、贈与、財産分与まで不動産の名義を変える登記を申請する際は、「固定資産評価照明」は添付書類として必ず必要になります。
取得場所 都税事務所又は市区役所・町村役場
備考 当店で取得することも可能です。※6ヵ月以内のもの
8、登記申請委任状
内容 第三者に登記申請を依頼する場合に必要な書類で、司法書士等に依頼する場合に必要になります。
取得場所
備考 当店にて作成致します。

*登記情報交換システム…例えば、東京法務局港出張所で札幌法務局や那覇地方法務局管内の登記簿を取得することができるようになりました。わざわざ遠くの法務局に行かなくても、お近くの法務局で他の管轄の登記簿謄本が取得できます。ただし、全ての法務局でこのシステムを利用できませんので、事前に法務局に電話で確認しましょう。
また、正確な地番・家屋番号がわからないと利用できませんのでご注意ください。